VILLA in TAIWAN | 2014

Location : Taiwan
Structure : Reinforced Concrete
Size : 2 stories
Site area : 3001.4㎡
Total floor area : 415.86㎡

今回の計画は、広大な敷地に優雅に佇む別荘の計画です。敷地は、南側に向かって緩やかに傾斜している敷地であり、広大な敷地とこの傾斜が緩やかにプライベートな空間を作り出せると考えました。マスタープランということで、全敷地にも同条件の環境があります。この緩やかな傾斜を利用し、少し高い場所に建設することにより、視線を外すことが出来ます。又、すべての別荘に共通する条件として、北側に開口を設ける場合は常緑樹などで覆うか、袖壁などで視線の角度を調整します。又、南西方向に敷地が振っているので、建物は真南に開く配置計画としました。これにより、太陽の出入を大きく張り出した庇と屋根により調整し、西側からの強い光を遮る計画としています。又、各所に吹抜けを設けることにより、自然の光の移ろいなどを感じることが出来ることと、間接的な光が空間を豊かにするように考えています。駐車場は来客用の駐車場も余裕を持って確保。駐車場棟は別棟としていますが、雨でも屋根のかかった通路により、濡れずに景色を楽しみながら室内にアクセス出来ます。来客者には、スロープを進み高い壁で隔てられた通路は、陰と青空の空間へとつながります。
広大な敷地だからこそ、随所に視線の抜けを作り庭園を創ることを考えています。単なる広い庭ではなく、切り取られた枠の中に映る景色は絵画のように楽しむことが出来るのではないでしょうか。玄関付近には、家族の玄関と来客者の玄関を用意することで、常にきれいな状態が保てます。玄関ホールからは、先に覗く庭園と吹抜けが場の連続性を創造させる工夫をします。
リビングに入ると70帖を超えるワンルームが家族を迎えます。南側に面する壁には大きな開口を、日射を調整するように配置された庇の水平線とともにきれいな枠組みとして、外部とつながります。外部空間を合わせると130帖を超える大きさは多くの友人たちを招いても、ゆったりとくつろげる場所にしています。キッチンの近くに外部のダイニングを設置。ここは、L型に配置されたプールに囲まれた特別なシーンを演出します。遊び心としても、2階の子ども部屋からも外部よりこの場所に入ることが出来ます。1階には、メインの浴室をテラスと共に配置。2階に主寝室にベッドルームを3部屋。ゲストのためにもお風呂や洗面も独立させ、ストレスなく過ごせるように計画しています。今回の計画は、先人たちが培ってきた知恵でもある日本の建築様式の大きな屋根と大きな庇をデザインしています。又、この水平線となる庇たちが、陰を生みながらそれぞれの方向に見出す風景をきれいに切り取る装置としての大きな役割を見出すこととしています。