SMSD PRIVATE RESIDENCE | 2011

Location : Sakai-shi, Osaka
Structure : ー
Size : 3 stories
Site area:330.22㎡
Construction area : 130.68㎡
Total floor area : 190.42㎡

大阪は堺市上野芝に位置する2つの計画地を検討していた。計画地の周辺には、中百舌鳥古墳群にある履中天皇陵の古墳が近くに存在し、緑豊かな環境にある静かな住宅街であった。計画地が2ヶ所あり、どちらでも建築して良いという贅沢でもある設計条件を頂戴することとなる。お互いに住居をつくるという環境においては、最高の条件の中での計画とみていたが、設計条件を検証する中で、やはり100坪の角地においては、魅せるという発信する力は大きいものの、建築法令を初めとするあらゆる制限を強いられることを考えると厳しい条件であることは間違いなかった。
この中で、ゆとりのある条件での計画か、厳しい条件での計画かという二者選択となる。限られた条件の中で思考を最大限に活用して、土地の持つ可能性を引き出してみたいと考え、小さい土地からの計画を始めることにした。
まず、ヒアリングから創造したものは、貝ともいえる家族を守るシェルター的存在の家。そして、地域環境からも連想できる土の山であり、石の塊ともいえる大きな存在感であった。石という素材をひとつ考えてみても、多種多様で表情が豊かな高価なものである。その中でも、最も硬く高価な素材として、ダイヤモンドが浮かび上がってきた。そして、ディスプレイとする要素の中にイタリアの歴史を重ねることが、外部のテクスチャーとして存在することとなる。
敷地を最大限に有効的に活用するという条件を考えたときに、建築制限の中にある形態から形状を導き出すという操作を考えた。ある意味、『必要に応じて減ずる』という意味を含めたトリミングの作業を繰り返し、新しい造形を創造する。これは、外部と内部にも共通して行われる操作として考えている。
敷地を最大限に活用することと、視線という方向性を考える中で、最も長い対角線の先にディスプレイを置き、そこに視線をフォーカスさせる。そして、視線の集まった部分から放射線状に平面を計画する形態がダイヤモンドの持つ輝きを放つ仕組みとなることを創造した。